大学生・社会人の部 考賞(3)


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『平和を愛する世界人として』を読んで

大学生・社会人の部:考賞

 名嘉 敬子

 

 文鮮明先生が書かれた自叙伝をはじめて手にしたとき、震えが止まりませんでした。表紙をめくり冒頭の一文を読んだら、涙が溢れてきました。――『乾いた冬の終わりに、夜通し春雨が降りました』―― 私の乾いた心を文先生の愛が春雨のように潤してくれました。胸が詰まって次が読めませんでした。読み終わるのに相当の時間がかかりました。

 

 一番心に残ったのは、最初の殉教者、チェコスロバキアの監房の中で亡くなった、マリア・ジブナさんのことが書かれている場面です。共産国家で宣教中に24歳の若さで亡くなったという知らせを聞かれた文先生は、『全身が硬直しました。話すこと、食べることはもちろん、祈ることさえできず、石の塊になったように座り込んでいました。』と書かれています。文先生は”祈り”の人です。他の誰よりも何倍も何十倍も祈られる方です。その文先生が祈ることさえできない状態であったことを考えると、どれ程のご心痛であられたのでしょうか。私の想像を遥かに越えた、深い深い悲しみに落ちていかれたのだと思います。メシヤとしてこられた文先生が『私に出会っていなければ…死ぬこともなかったはずなのに…』と書かれているその心境はどんなに壮絶なものなのでしょうか。

 

 草創期の先輩の方々の証しに、文先生は会ったこともない私のことを本当によく知ってくださっているという話がたくさんあります。マリア・ジブナさんのことも文先生はよくよく知っておられたのでしょう。そしてチェコスロバキアという共産国家で宣教活動をしているのを、どれ程たくさんの心情を注いで祈ってらっしゃったのか、それは計り知れないものだと思います。チェコスロバキアという共産国家は、一生懸命み旨に生きたマリア・ジブナさんを無惨にも殺してしまいました。数年前に宣教国家のくじ引きがありました。私がひいたくじはスロバキアでありました。私はマリア・ジブナさんのことを生涯心に留めておこうと決心しました。

 

 文先生が際限のない悲しみに落ちていかれたとき、マリア・ジブナさんが黄色い蝶になって現れます。私はこの場面を読んで、再度、文先生は真の父母であることを確信しました。深く強い絆をそこに見たからです。肉身の死でも切ることのできない絆があることがわかりました。この絆で、私も文先生とつながっているのだと思うと、強い勇気が湧いてきました。真の父母様が本当に慕わしく、いつまでもいつまでもお元気でいて欲しいと思いました。そしてどうか一日も早く日本に来ていただきたいと思いました。

 

 今もなお、たくさんの心の苦しみを抱えている文先生の御心をお慰めできるように、伝道を一生懸命、頑張りたいと思いました。いつも私の心の近くに訪ねてこられている真の父母様と共に、み旨の道を頑張って歩んで行きます。