統一教会機関誌「ファミリー」5月号より

お父様の自叙伝が大ブレイク
「わたしの思いを80パーセント以上盛り込んである」

 3月10日、真のお父様の生涯をつづった自叙伝『平和を愛する世界人として』が韓国で発売され、ベストセラーになっています。

 お父様の自叙伝が出版されるに至ったいきさつや、さまざまな物議を醸し出しながらも多くのメディアで取り上げられ、賛否両論、大きな話題を巻き起こしている実情をリポートします。(韓国国際部 武藤将巨)

●発売と同時にベストセラー入り

 真のお父様が90年のご生涯を、ご自身の言葉で感動的につづられた『平和を愛する世界人として』は、3月10日の発売以来、韓国全土で大きなヒットを飛ばし続けています。

 ソウル最大の書店、教保文庫の集計では、発売と同時に総合第7位にランクされ、3月第4週現在も、総合第9位、エッセー部門第4位を維持しています。


雑誌に掲載された全面広告
 出版とともに、韓国出版マーケティング研究所の韓淇皓所長が、ポータルサイト「ネイバー」のブログに長文の紹介エッセーを発表。「今や、出版市場で宗教人が書いた『ビッグ・タイトル』が登場する時だ」としながら、「この本を読んで、国内では人気のない文総裁が、なぜ、外国では非常に卓越した指導者として認められているのかを悟ることができた」と感想を述べています。そして、「(宗教的偏見のゆえに)どうしても買って読みたくないという人は、ぜひ、書店で最後の章だけでも立ち読みしてほしい。世界でビジョンを切り開いていくためには、これくらいの眼目を持ったリーダーが確かに必要である、と思うようになることだろう。そのような理由で、わたしはこの本が、出版市場が待ち焦がれた『ビッグ・タイトル』となることを願う」と結びました。

 今回、お父様の自叙伝を出版したのは、韓国で最も多くベストセラーを出してきた業界最大手の「金寧社」。これまで、『世界は広くなすべきこと多し』(1989/金宇中・元大宇グループ会長)、『美しい原則』(1989/李會昌・自由先進党総裁)、『神話はない』(1995/李明博・現大統領)、『再び新しい始まりのために』(1998/金大中・元大統領)など、国家的な大物たちの自叙伝を出しては、それらがすべてベストセラーとなってきました。

 今回のお父様の自叙伝は、3年の企画期間を経て、約二年間、執筆と脱稿、修正を繰り返して出版されました。異例の初刷20万部印刷が予定されて、発売日に第一版5刷、5万部が市中に出荷されました。

 同社は、それとともに、韓国の十大日刊紙、および、スポーツ新聞、経済紙など、百か所に一斉に広告を掲載しました。

 全面広告(左上の写真)では、いちばん上に竹の葉が一枚置かれ、その下に、「わたしにとって人生は、どこのだれとも相談できない孤独な路程でした。今、これまで明かせなかった、わが心のうちの暴風のごとき話を取り出してみようと思います」というお父様のみ言が掲載されています。中央に「文鮮明」のお名前、その下に「民族と宗教を超越して、真なる世界平和のために生きてきた文鮮明総裁の真率で感動的な一代記」というコピーが続きます。そして、いちばん下に本の題名と、「世界を舞台に、愛と平和をつくり出してきた文鮮明総裁が、初めて明かす90年生涯の真率な話! 絶え間ない迫害と試練にも屈せず、人類の幸福の道を開拓してきた一人間の涙と悔恨、夢とビジョン、情熱と人類愛! 鉄の障壁クレムリンのゴルバチョフも、地球の最後の赤の広場・金日成も、文鮮明総裁の平和と愛の前では、心の扉を開くしかなかった。ドラマよりもっと胸ときめくストーリー!」という解説が書かれています。

●金寧社の社長が釈迦の指導で出版決定

 金寧社の朴恩珠社長(52歳、女性)は、3月9日の記者会見で次のようにインタビューに答えています。

 「文総裁は、宗教指導者がいかに生きるべきかを、教えと実践を通じて身をもって見せてくださったかたです」

 「米国留学中に、世界平和のために絶えず働かれ、国威宣揚される文総裁の活躍の姿を知り、本で残す価値があると感じました。この本を通じて、韓国社会の『異端』に対する偏見が解消されたら、と思います。志が違うことから『異端だ』と言いますが、志が違う人同士が共存できるほうが良い社会なのではないでしょうか」

 朴社長は、本の製作過程について、

 「2006年秋から文総裁の口述を記録し始め、録音した分量だけでも20冊分を優に超えましたが、それを383ページに圧縮しました」と説明しました。朴社長は、お父様について知っていく中で、「文総裁は当然、大変な金持ちだろうと思ったのですが、実際には、自分や家族名義の家一つも所有がないことを知って驚きました」と思いのうちを述べています。

 そして最後に、「文総裁の幼いころと人類平和に向かう大長征を、あるがままに率直に表すことに力を注ぎました。興味本位なショッキングさはありませんが、お父さんが先に読んで、喜んで子供たちに一読を勧められる本だと自負しています」と自信のほどを語りました。

 手掛ける本がことごとくベストセラーになることから、手に触れる物すべてを黄金に変えるギリシャ神話の「マイダス」にちなみ、「マイダスの手」の異名を持つ韓国最高の出版企画者兼経営者、朴社長は、一方では毎日、『金剛経』を30分間読経して108拝の敬拝をささげるという熱心な仏教徒として知られています。

 梁昌植・韓国会長(当時)が明らかにしたところによると、「朴社長は独身だが、出版と結婚したと言えるほど使命感を持って仕事をしている。出版企画を決定するときにはいつも、3日間、仏像の前で祈って、釈迦の許可を得られたら出版するし、得られなければ出版しない。今回も釈迦の指導によって出版が決定された」ということでした。

●オン・オフラインで主要言論が報道

 お父様の自叙伝出版のニュースは、『東亜日報』や『聯合ニュース』など、主要言論を通してオンライン・オフラインで一斉に報じられましたが、その中から『東亜日報』の3月11日付の記事の抜粋を紹介します。

■文鮮明統一教会総裁初自叙伝出刊

 統一教会対北事業、家庭生活など紹介

「初の対面で金主席と『平和』の話」

 文鮮明・世界平和統一家庭連合(統一教会)総裁は、11日に発刊される初の自叙伝で、1991年、北韓訪問の際に金日成主席が「金剛山開発をしよう」と提案したことを明らかにした。

 文総裁は金主席との初の出会いで兄、弟として呼び合い、白頭山の虎を題材に平和に関する話を交わした、と自叙伝に記した。

 彼は、北韓訪問談を独立の章として詳しく紹介。当時、北韓で生存していた妹さんに再会し、興南までヘリコプターで赴き、麻田の「主席公館」で金日成主席と会って、南北対話と離散家族再会を促し、狩りなど、共通の趣味について歓談したとした。

 これに先立ち、1990年当時、ソ連のモスクワを訪問してゴルバチョフ共産党書記長と面談した席で、韓国と修好をすることを促したいきさつも詳しく紹介、間もなく成就した韓国・ロシアの修好に少なくない役割を果たしたことを知らしめた。

 自叙伝は、家庭生活と家族史もひもといた。文総裁が40歳になった1960年、自身よりも23歳も若い韓鶴子女史と結婚した過程と、その後の韓女史の内助を紹介した。

 1983年、次男・文興進氏が交通事故で亡くなった事情と、息子に対する切ない感情、霊魂結婚式を挙げた嫁、文薫淑・ユニバーサルバレエ団長に関するエピソードも明らかにした。

 文総裁はまた、自分の幼い時代と、16歳の時に啓示を受けて、ソウルと日本の東京で修学した過程、北韓平壌での伝道と、韓国動乱中に釜山の掘っ立て小屋教会で、信者を集め始め、統一教会を創始した当時も回顧した。

 また、1954年、ソウル北鶴洞に「世界基督教統一神霊協会」の看板を掲げた家で伝道を始め、翌年、大学生信者たちが急速に増えながら、既成教会の告発に遭って投獄され、その後、無罪で釈放された過程と、米国と日本などの海外伝道を始めた経緯も伝えた。

 文総裁の自叙伝は、『平和を愛する世界人として』というエッセーとして、11日から市販される。383ページ、1万4500ウォン。

●キリスト教界の矛先は金寧社に

 一方で、今回の自叙伝出版は、多くの物議を醸し出しました。

 特に、韓国で国家的な権力の背景となっていると言えるキリスト教界が、批判の矛先を金寧社に集中させたのです。3月13日には、キリスト教出版人たちの集まりである「韓国キリスト教出版協会」が、「キリスト教書籍を出版してきた金寧社が、異端とされてきた文総裁の本を出すことは、キリスト教の基本を無視したことであり、非常に残念だ」という声明を発表しました。

 また、韓国十大日刊紙の中には、統一教会財団の『世界日報』と共に、キリスト教教派が発行する『国民日報』がありますが、3月13日、『国民日報』は、「クリスチャンの期待に背いた金寧社」と題した社説を掲載。翌日、それに対して『世界日報』が、「出版の自由抑圧は言論の正道ではない」と題した社説で、『国民日報』が自ら言論でありながら、言論・出版の自由を抑圧していることを指摘すると、ネット上でもその両者の意見が紹介されながら、一般ネティズン(ネット上の市民)の間に取り上げられ、賛否両論、大きな話題を巻き起こしています。

 そういう中で、キリスト教インターネット新聞『ニュース・エン・ジョイ』は4月8日、比較的客観的な記事で、「金寧社」側の意見、本の中におけるお父様の主張を、キリスト教界側の批判と共に紹介しました。

 同記事は、「金寧社、『キリスト教界反発は予想していた』」と題して、最初に、「世界平和統一家庭連合(統一教会)総裁文鮮明自叙伝『平和を愛する世界人として』を発刊した金寧社は泰然としている」とし、金寧社関係者の、「弊社はキリスト教書籍も多く出しましたが、仏教など他の宗教書籍も多く出している。この本は特定宗教の教理や内容ではない、九十歳の文鮮明という人物を盛り込んだエッセー。宗教と関連させないでほしい」というコメントを紹介。キリスト教界の批判にも触れながら、本の内容についても、以下のように紹介しました。

 「内容をよく見れば、総数383ページに文教主の90年の生涯を一目で分かるように記録している。文教主は、『90になった今も、日々、神様がどうしてわたしを呼ばれたのかを思います』としながら、悩み多き宗教指導者として自らの生涯を回顧した。

 1920年、日本植民地時代に生まれた文教主は、篤実な信仰生活を通して、民族の苦しみの現実を目撃、祈祷に没頭して、苦しみ続ける人類を救いなさいという神のみ言を聞く。それ以来、彼は神様のみ旨のために生きた。文教主は、自らが願うことは、ただ世界を囲む垣根が皆崩れ、おなかをすかせた人も、涙を流す人もいない世の中をつくることだとしながら、統一教会の出発について知らせた。

 文教主は、『異端、似非は、わたしの名前の前に付く固有名詞』であり、既成教会(韓国教会)が自分の牧会指導に反対して根掘り葉掘り文句をつけてきたのは、信者を奪われることへの反発だと表現。『どんな場合でも、教派が優先ではありえない。似非や異端論争は無意味である』として、ひたすら国を犠牲にしても人類を救うことを優先すべきだと強調する」

●宗教および出版の自由問題として注目

 その他、キリスト教界以外では、どのように見ているでしょうか。

 韓国の読書文化の発展を期して1970年に創刊された、歴史ある『読書新聞』は、今回の出版に関して、「金寧社を見る二種類の視線」と題して分析しました。

 同記事は最初に、「波紋の核心は、文総裁が主流キリスト教会で『異端』と批判されてきた人物でありながら、よりによって、国内屈指の出版社である金寧社でどうしても発刊しなければならなかったのかという点だろう」としながら、「発刊前からこのような批判は十分に予想されてきたにもかかわらず、金寧社がこの本を発刊した背景は何か?」と問題を投げかけます。

 さらに、『世界日報』と『国民日報』の主張を紹介し、金寧社のホームページの書き込みに対しても、「言論・出版の自由はあるが、このような形で商業行為をすることは非良心的」という抗議と、「いや、内容を読めば、自らの人生を振り返らせられ、著者の一生に自然に頭が下がるし、子供たちに自信を持って勧められる本だ」などという支持の、賛否両論で埋め尽くされていると紹介。一方で出版界自体は、「金寧社だからこそできた仕事」、「出版の自由を抑圧するには当たらない」と客観的に見ているのだ、と分析しています。

 その上で同記事は、「単純に商業的目的や宗教的偏向性を超えて、純粋な意図で発刊を準備したという金寧社の主張は、金寧社がこれまで出版した図書をよく見れば十分に理解ができる」とし、「特に朴恩珠代表は篤い仏教信者として知られているが、そうでありながら、キリスト教書籍に対する関心が非常に高く、世間でキリスト教出版社だとまで評されてきた」ことに触れています。さらに、「それにとどまらず、仏教界の高僧である性徹僧侶や崇山僧侶の本、あるいは、宗教を全く否定するリチャード・ドーキンスの『つくられた神』も出版した。このような点で、金寧社の文総裁自叙伝発刊は、宗教的意図や商業性とは関係がないようだ」と説明し、「宗教問題と出版印刷の自由という問題まで、いっぺんに引き出して出版界の話題として浮かび上がった金寧社と文鮮明総裁の自叙伝『平和を愛する世界人として』に対する論争は、しばらく続く見込みだ」と結んでいます。


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